いつも当社ホームページをご覧いただきありがとうございます。
掲載を予定していた「医療DX推進の3つの柱」ですが、準備に少し時間がかかってしまい、公開が遅れました。
楽しみにしてくださっていた皆さまにはお待たせしてしまい、申し訳ございません。
これからも、皆さまに有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。
今後のコラム掲載予定は以下のとおりですので、ぜひご期待ください。
【今後の掲載予定】
2026年1月 令和8年度協会けんぽ改定について
2026年3月 健診業務を見直して作業効率UP!
2026年6月 医療AIってなに?
医療DX令和ビジョン2030推進の3本の柱
「医療DXってどういうこと?」といった疑問を持つ方が多いのではないでしょうか?
医療DX令和ビジョン2030に関して、みなさんはどのくらい理解していますか?
ここでは医療DX令和ビジョン2030の3本の柱についてご紹介します。
■医療DX令和ビジョン2030とは
「医療DX令和ビジョン2030」は2022年5月に自由民主党政務調査会より提言されました。
きっかけは様々ありますが、特に新型コロナウイルス流行時の対応が決め手だと言われています。
感染初期には電話やFAXで情報をやり取りしており、医療分野のデジタル化の遅れが浮き彫りになりました。
さらに、超高齢化社会への対応や医療従事者不足などの様々な課題もある中で、医療提供体制の効率化と持続可能性の確保が急務になりました。
そこで、厚生労働省は、医療DXを通じて…
- 国民のさらなる健康増進
- 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
- 医療機関等の業務効率化
- システム人材等の有効活用
- 医療情報の二次利用の環境整備
の、実現を目指すことを公言しました。医療DX実現に向け医療DX令和ビジョン2030推進の3本の柱を定めました。
■医療DX令和ビジョン2030推進の3本の柱
①全国医療情報プラットフォーム
オンライン資格確認システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、電子カルテなどの医療機関等が発生源となる医療情報(介護含む)を、クラウド上で統合・共有する国家基盤の情報基盤です。
これにより、患者がどの医療機関を受診しても、医師が過去の診療履歴や検査結果を迅速かつ正確に把握できるようになり、診療の質と安全性が向上します。
また、患者自身がスマートフォン等を通じて自分の医療情報にアクセスできるようになり、健康管理や予防行動を主体的に行える環境が整います。

(出展:厚生労働省 「第4回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料について」の資料2-2「全国医療情報プラットフォームの概要」)
(URL:「https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34874.html」/2025年11月5日に参照)
②電子カルテ情報の標準化
電子カルテ情報の標準化は、3文書6情報(※)を統一されたフォーマットで管理し、オンライン資格確認システムなどのネットワークを活用することで、医療機関同士で電子カルテ情報などをスムーズに共有や交換する仕組みです。
これにより、異なる医療機関同士での情報交換がスムーズになり、患者の診療履歴を正確に共有することが可能になります。
厚生労働省はこれらの標準規格に基づいた「標準型電子カルテ」の開発を進めており、民間システムとの連携も視野に入れた柔軟な設計が求められています。
※…3文書:診療情報提供書、退院時サマリー、健診結果報告書
6情報:傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤禁忌情報、検査情報、処方情報

(出展:厚生労働省 「第20回健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ資料について」の資料2「電子カルテ情報共有サービスにおける運用について」の28ページ)
(URL:「https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37429.html」/2025年11月5日に参照)
③診療報酬改定のDX
診療報酬改定DXは、診療報酬制度の更新作業をデジタル化し、医療機関やシステムベンダーの負担を軽減する取り組みです。
従来は診療報酬改定のたびに手作業でシステム変更を行っていましたが、共通算定モジュールの導入により、改定内容を自動的に反映できるようになります。
これにより、作業の効率化とヒューマンエラーの防止を図り、医療機関の事務作業が大幅に軽減されます。

(出展:厚生労働省 「令和6年度診療報酬改定の概要【医療DXの推進】」の3ページ)
(URL:「https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001219984.pdf」/2025年11月5日に参照)
■まとめ
医療DX令和ビジョン2030は医療現場の効率化と患者に寄り添う医療を両立させる新たな医療のかたちを描いています。
単なるシステム導入にとどまらず、診療データのリアルタイム共有やAIによる診断支援など、医療の質を根本から変える取り組みが進行中です。
2026年までには、遠隔診療の高度化や地域医療連携の強化など、複数の新機能が全国で展開される見込みがあり、これらの技術は医療提供体制の標準として定着していくでしょう。
そのため、医療機関では医療DXの進展に応じた体制整備が求められます。医師や看護師などの医療従事者には、パソコンや各種ITツールを適切に活用するためのデジタルスキルの向上が必要になります。
また、患者との医療情報の共有方法についても、従来とは異なる新たな形へと変化していくことが予想されます。
日々めまぐるしく変化する時代の中で、より安全で質の高い医療を提供し続けるために、まずは医療DXについて相談できる相手を見つけてみましょう。
■当社では
当社のヘルスケア事業においては、健診システムの導入・維持管理を中心に取り組んでいます。医療DXにおいても、6情報に健診結果報告書が含まれるなど、診療分野だけでなく予防医療に関連するDX推進も意識されてます。
当社の提案する「タック総合健診システム」においては、この流れに同調し、電子カルテ情報共有サービス対応オプションの開発も進んでおり、今後も引き続き医療DXに対応していく予定です。
またネットワークやインフラ全般などICTに関する対応も可能です。医療DXのみならず、普段の業務の中でお困りごとなどがございましたらお気軽にご相談ください。
